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宮沢賢治童話発祥の地は東大付近⁉︎25歳の家出生活

宮沢賢治と東京
賢治聖地めぐり〜東大周辺〜

東京大学周辺には、「宮沢賢治童話発祥の地」と言える場所があります。東京で宮沢賢治聖地巡りをするなら、まず最初に訪れていただきたい場所です!

本郷三丁目駅:宮沢賢治さんの時代は地下鉄ではないのですが、路面電車が通っていました

2024年10月28日、丸ノ内線 本郷三丁目駅にやってきました。賢治さん、1921(大正10)年1月23日に家出し、8月まで半年以上東京に住んでいました。その下宿の最寄り駅がこちらです。

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step1:1日300枚のペースで童話を執筆した「下宿先・稲垣宅」

下宿があった場所は「菊坂」。ここは樋口一葉や金田一京助、石川啄木らも住んでいたことがあり、文京区が手厚い解説版を設置しています。

宮沢賢治が童話の創作に覚醒した「宮沢賢治旧居跡」

駅から徒歩7分。かつてこの場所にあったのが、賢治さんが下宿していた「稲垣家」です。当時の建物は2階建てで、1階は駄菓子屋。夫を亡くした稲垣夫人がお手玉の内職と下宿で生計を営んでいたそうです。

賢治さんは岩手の人ですが、「賢治童話発祥の地」はここです!なぜなら、童話は家出生活の中でアドバイスをもらって書き始めたからです。東大前で仕事をし、街頭で日蓮宗の布教活動をしながら、1日に原稿用紙300枚の割合で童話を書く生活を送っていました。

step2:童話『銀河鉄道の夜』の活版所のモデル「文信社」跡へ

徒歩10分ほどで下宿から東京大学前の本郷通りに出ます。東京大学といえばの「赤門」です。

「文信社」跡地は「大学堂メガネ店」を経て、現在は「寺本内科・歯科クリニック」になっています

赤門の向かいが印刷所「文信社」跡です。ここで賢治さんは活字拾い…ではなく、謄写版を削って版を作る作業をしていました。東大生の講義ノートを印刷して販売していたそうです。

step3:童話原稿の出版社売り込みを頼みに現れた「弟 清六氏止宿先」周辺

家出生活から2年後。1923(大正12)年の正月、賢治さんは東京にいる弟に、童話原稿の出版社売り込みを頼むため、岩手から上京してきます。弟が住んでいたのが、ここ「竜岡町(たつおかちょう)」です。(地名表記は「竜」と「龍」が混在しています。)

竜岡町は昭和40年までの町名で、今は東大・竜岡門を境に「本郷7丁目」と「湯島4丁目」に分かれています。弟の下宿場所は「竜岡町」であることしかわかりませんが、本郷7丁目側は東京大学の敷地なので、湯島4丁目側にちがいありません。ぐるりと歩いてみたいと思います。

賢治さんの弟が住んでいた旧「竜岡町」

竜岡門から春日通りに出ると、ビルの名前に「竜岡」の文字が!このあたりの建物のどれかがかつて下宿屋さんだったのでしょうか。手前の像は「春日局(かすがのつぼね)」です。

この場所は「麟祥院(りんしょういん)」という春日局のお墓があるお寺の前でした。

竜岡ビルの先には湯島天神の入り口が見えています。その先は、上野公園・不忍池(しのばずのいけ)なので、こちら側はこの辺りで湯島4丁目が終わります。反対側の無縁坂にも行ってみましょう。

無縁坂に向かう道は、官舎とマンション、資料館…と、民家がありません。

無縁坂を下ると、上野公園・不忍池です。これにてゴール!弟が住んでいたのはどの辺りかな?と、旧竜岡町内を一周してみましたが、こんな感じでした。以上が「賢治の聖地」東大周辺です。

が、せっかくなら東京大学も見学しましょう!観光客におすすめのスポットがあります。

東京大学、一般人OKおすすめスポット4選

正門からの銀杏並木。紅葉はまだですが銀杏が落ちてます。

その1:東京大学の中に有名庭園ホテルのレストラン

なんと、東京大学内に「椿山荘(ちんざんそう)」のレストランが!しかもこの建物は1916(大正5)年に建てられた、当時最先端の耐火書庫で、関東大震災でも無事でした。

注目はデザート!東京大学の研究室で発見された菌を使った「研Q室のヨーグルト」が使われています。おいしいだけではなく免疫促進活性が確認されているとのこと。東京大学ゆかりの食材がいただけるって、面白いです。

その2:入館無料、博物館の王道「なんかすごい」を見る!

おぉぉ!大きな牛がいます。こちら「東京大学総合研究博物館」は常設と、入れ替えの展示があり、鉱物を眺めてはニヤニヤするのですが…今日は最大級のホルスタインにテンションが上がりました。

その3:独自商品多数、面白い売店

オフィシャルショップでは、東京大学関連グッズを販売中。日本酒やレストランでも使われていた「研Q室のヨーグルト」も売っています。

東京大学は2027年に創立150年を迎えるので、記念グッズコーナーが!東大柄フリクション、あやかって頭良くなりそうなので思わず購入。

その4:東大といえばここ!現物の空気感を味わう

正門から銀杏並木を通った先にある東京大学のシンボル安田講堂。今はイベントやセレモニーで使われています。卒業式は一度に全学生が入ることができなくても、時間をずらしてこちらで行っているそう。

安田講堂から龍岡門までショートカットしようとしたら、都心とは思えない森の中に。東京大学の敷地は広いので、迷子にならないようご注意ください。

リンク

家出初日にお世話になった「小林家」について

鶯谷の国柱会館本部があった場所

宮沢賢治、東京の足跡2024まとめ