2018年夏、突然交通事故に遭い(事故というのは突然なものですが…)数カ所通院しては待ち時間で一日のほとんどが消費されていく生活になりました。
そんな中、待合室にあったOZマガジン。
記事の中で「よりみちノート」という白地図のノートの存在を知ります。
amazonで早速買ってみたところ、最初に思った印象は「随分と賢治が行ってた場所とかぶってるもんだなぁ」。
もう10年以上も前になりますが、岩手県南部にある「石と賢治のミュージアム」で学芸員をしていました。
宮澤賢治(宮沢賢治)さんの研究です。
賢治さんの上京回数は9回。37年の生涯であり、当時の「花巻-東京」は一日がけでの移動になることを考えると「たびたびの上京」です。
私の研究対象は、最後の9回目の上京である1931年についてでしたが、必然的にその前の上京についても知ることになり、常に「何しに東京に行ったんだろう?」「そんなに東京に行きたいんだ!」「いやいや、そんなに東京が好きなら、住めば良いじゃないですか;」……と、思っていました。
賢治さんには賢治さんの住めない事情や葛藤があるわけですが……今思えば、賢治の東京への憧れ…呪いのようなもの、にさらされていた研究生活でした。
そして、私は今、縁あって岩手を出てきてこっちに住んでいます。
白地図を眺めながら「わざわざ東京に来て行ってた場所なんだから、何かがあるのだろう。何か面白いものが今でもあるんじゃないか? OZ押しの観光マップとかぶってるわけだし……」と思うようになったのです。そこで、病院と病院の間の時間、3時間程度。
時間を縫ってはちょろりちょろりと東京に尋ね歩くことにしました。
最初は白地図に賢治さんの行った場所を書き込み、ちょうど「雨ニモマケズ切手」が10枚あったので、現地の風景印でも押して来ようかと支度。それから出発しました。
このサイトはそのお出掛け記録です。
賢治さんご縁の場所と共に、私自身が惹かれた東京の場所の記録も入っています。
「東京面白いところ探し」の参考になれば幸いです。私も東京が大好きです。