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4日目①/4:釜石〜陸中大橋、車で宮沢賢治三陸旅行をたどってみた

宮沢賢治と岩手

つづきです。

釜石の朝

おはようございます!釜石の朝日です。

今日も釜石駅からスタートです。

今さらではありますが、基本情報です。釜石駅には三陸鉄道リアス線とJR釜石線が乗り入れています。どちらも電化していないので「列車」です。

電線がないのでスッキリとした写真が撮れます。

岩手旅最終日の朝ごはんは、駅の釜石ラーメンを食べたお店でお蕎麦です。冷えた身体が温まります。

食べた後は釜石駅内のSL銀河の思い出を散策。150円の入場料を払って、思い出に浸ります。

今日はJR釜石線沿いで賢治三陸旅行最後の詩碑を巡るので、同時にSL銀河を思い出す旅になりそうです。

愛しのマイルームに別れを告げて出発します!

今日も秋晴れのいい天気。釜石線の最難所「仙人峠」に入ります。

陸中大橋駅

陸中大橋駅前、正面が郵便局、左が宮沢賢治詩碑、右側陸中大橋駅です。

賢治さんが生きていた頃、仙人峠に鉄道を通すことが難しく、この区間は下車して歩かなければいけませんでした。

詩碑8「峠」

陸中大橋駅前、宮沢賢治詩碑「峠」です。「峠」はこの旅最後の作品です。当時、仙人峠は線路が繋がっておらず、一度下車して3時間ほど歩いて4kmの山道を越えていました。その時、釜石湾を振り返り、新しい風を感じて花巻に向かう心象が書かれています。

角度を変えて見ても見づらい石碑です。子どもの頃、こういう石碑を見つけては雪を摺り込んで文字を浮き出させて「ナゾがとけた〜!」と遊んでいたものです。


          宮 澤 賢 治
あんまり眩ゆく山がまはりをうねるので
ここらはまるで何か光機の焦点のやう
蒼穹(あをぞら)ばかり、
いよいよ暗く陥ち込んでゐる、
   (鉄鉱床のダイナマイトだ
   いまのあやしい呟きは!)
冷たい風が、
せはしく西から襲ふので
白樺はみな、
ねぢれた枝を東のそらの海の光へ伸ばし
雪と露岩のけはしい二色の起伏のはてで
二十世紀の太平洋が、
青くなまめきけむってゐる
黒い岬のこっちには
釜石湾の一つぶ華奢なエメラルド
  ……そこでは叔父のこどもらが
    みなすくすくと育ってゐた……
あたらしい風が翔ければ
白樺の木は鋼のやうにりんりん鳴らす
     平成二年三月   釜石市

我が家の小粒なエメラルド。撮影して拡大してみると釜石湾のようです。峠で今までの旅を振り返った時、その景色が美しい宝石に例えられていて、行く先に希望を感じられるのはなによりです。

さて、宮沢賢治三陸旅行はこれにて終了ですが、ナギノートの旅は続きます。

つづく