SL乗車レポート 2023まとめはこちら

銀河鉄道じゃないほうのSLの話<10>

資料

銀河鉄道じゃないほうのSLの話<9>の続き。
こちらの書籍をベースにしての検討です。

全国蒸気機関車配置表
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水戸運輸事務所

水戸機関庫

1074,1075,1076,1094,1097,1098,1112,1164,1165,1168,
19646,29614,29654,29675,29684,39645,49674,79603,79644,79645,

C5112,C5140,C51144,C51145,C51165,C51166,
C51167,C51168,C51169,C51183,C51210,C51211,

D506,D507,D5026,D5027,D5028,D5029,D5076,D5081,D50104,
D50297,D5050293,D5050321,

真岡機関庫

1077,1095,1096,1099,1114,

平機関庫

1008,
1113,
8701,8703,8704,8705,8708,8709,8711,8713,8715,8716,8717,8724,

C5111,C5137,C5138,C51146,C51147,C51148,C51149,C51180,
D5077,D5078,D5079,D5080,D50101,D50102,D50103,D50105,D50151,
D50156,D50157,D50158,D50159,

あれ!?ハチロク消えたΣ(・ω・ノ)ノ!
ということは、ここから先、終着上野まではC51形だけなんだ!!
銀河鉄道じゃないほうのSLの話<7>で引用したことについてはクリアです。

P314 L7 「上野から出る各方面の長距離旅客の牽引はすべてC51形である。」

車両が配置されていないのですから、上野→仙台間はC51形で確定です!!

仙台以北についての私の考えです。
盛岡機関庫から見ていくと、仙台以北はC51形と86形が併用されていて、仙台までの長距離がC51形、各停で黒沢尻・一関・小牛田で乗り換える場合は86形だったのではないでしょうか?
より長距離を走れる改良型がC51形が直通、中間の機関庫にC51形が配置されず、86形だけが配置されているということが「先頭車の付け替えが必要な頻度」を表していることのように思います。

北からだと、上京ルートは先に平(現いわき)→水戸になります。
真岡機関庫は令和の今日、SLのメッカになっている「真岡(もおか)」です。
栃木県の真岡ですが茨城県の機関区所属。
現真岡鉄道が旧国鉄真岡線。←1988年三セク化
茨城県下館発の盲腸線(どんづまりな路線)。
下館は水戸線と常総線の乗り入れなので……うん。真岡は茨城。オケ!
平は駅裏に住んでいたことがあって、ブルートレインとか通って行くのを見ては「あれ、どこから乗ってどこ行くんだろー?」くらいしか思っていなかったのですが、今こうして資料を見ながら腑に落ちてるのは生活体験あってこそですよね……
平の位置と広い操作場を思うと、長距離旅客ががしがし乗り入れて(通過して?)いたことでしょう。

ちなみに今、私は、新鶴見操作場のご近所在住です。
新鶴見は操作場の聖地のような場所です。(住んでから知りましたが…)
まったく意識してないのですが、物件選びの時に、なんとなくこういう環境を選んでしまうのかもしれません。

さて、長々書いてきましたが、以上です。
水戸からは、ざっくりと
柏、松戸、北千住、日暮里を経て上野に着きます。
水戸は首都圏マップに出てくるので、もう首都圏です(笑)
上野運輸事務所に配置されているSLは、
機関庫が田端、大宮、高崎、横川(信越線)……つまり、常磐線ルートに絡まないので、
今回の賢治最後の上京に関係するのは列挙してきた以上になります。
つまり、乗車候補の列車は2形(2種類)。
86形(ハチロク)とC51(シゴイチ)です。

ハチロク

18636,18643,
18637,18645,18677,18698,18699,28624,28645,
28646,28668,68622,78640,78644,
18674,28667,38687,38688,38689,38690,38691,68620,
8646,8652,8653,8654,38684,

シゴイチ

C5152,C51119,C51120,C51121,C51153,C51154,C51155,C51192,
C5179,C5181,C5182,C5183,C5184,C5185,C5186,
C51117,C51118,C51193,C51230,C51231,C51232,C51233,
C51234,C51283,C51284,C5128
C5112,C5140,C51144,C51145,C51165,C51166,
C51167,C51168,C51169,C51183,C51210,C51211,
C5111,C5137,C5138,C51146,C51147,C51148,C51149,C51180,

と、途方もない数の車両数を挙げましたが、
令和時代の本日、上に列記した車両は全滅。残っていません。
同形で残っているものはWikipediaによると 全部で6両だけです。

ハチロクは2両

  • 8630……京都鉄道博物館に保存
  • 58654……肥薩線で運行中「SL人吉」

シゴイチは4両

  • C515……大宮鉄道博物館で公開
  • C5144……秋田総合車両センター(カットモデル)
  • C5185……鹿児島総合車両所(カットモデル)
  • C51239……京都鉄道博物館に保存

かつてあれだけ走っていたのに、今はもう片手程もいなくなってしまいました。

関東で拝めるのは君だけか……

賢治さんが上京するときに乗っていた車両を限定するにはまだ何歩も足りない状態ではありますが、
ひとまず今日、自分が「あー、こういう汽車だったんだー」と拝めるのはこれだけ。
あとは京都鉄道博物館と動いてるのを見るならSL人吉。それだけ。
京都&人吉は実物を見に行くには距離があってすぐの実現は難しいですが、静止状態でもC51が近くにあったので慰められました。
これからも調べ続けるとは思うのですが、このお話はいったん終わります。

京都鉄道博物館にあるハチロクシゴイチが並んでいるオレンジカードを見つけたので買ってしまいました。オレンジカード……懐かしい。

8620形 1914年(大3)
9600形とならぶ大正時代の代表的な国産旅客用機関車。全国で広く使われた。
C51形 1919年(大8)
大正~昭和にかけての急行旅客用機関車。はじめて1750mm動輪をとり入れた。

これ、とても良いカップリングです。賢治さんが1931年に上京する時、乗車した可能性のあるSLと同形で現存するものが1枚に収まっています。

イメージ図として「賢治さんが乗ったSLはこういう感じです!」ですね。

終わりに……おまけの後日談

京都は遠くて、すぐ見に行くのは無理だなぁ……と思っておりましたが、ご縁があって、その年の暮れに行ってきました。
1931年に宮沢賢治が上京する際に乗ったSLの型と同形を見に行くぞ!(よりみちノート京都駅西)

これで、銀河鉄道じゃないほうのSLの話はおわりです。

関連リンク

外部リンク

全国蒸気機関車配置表