
100年前の1925年、宮沢賢治さんは三陸地方を旅し、その様子を詩に書いています。今回は4日間でこの足跡を辿ってレポートします!
・旅のしおり
賢治さんのスタートは花巻駅ですが、私は東京駅からの出発です!
仙台駅周辺

9:08に東京駅を出て、今日の目的地の宮古駅に着くのは15:49。今日は約6時間半の乗り鉄旅になります。3本の電波塔が見えると「あぁ仙台に来たな」と感じます。この後、隣の席のアメリカ人記者の方とお話ししていたら、新花巻駅を通過してしまいました。…出会いも旅の醍醐味なのでそういうこともあります。
「異途(いと)への出発」
1925年1月5日、宮沢賢治さんは花巻駅から夜行列車で北へ向かいました。その心情が書かれているのが詩「異途への出発」です。
盛岡駅

盛岡駅の直前。「SLの検修庫があるから、ここは見逃し厳禁です!」とカメラを構えると、あれれ?こっちに向かって手を振ってくれています♪なにしてるんだろう?

12:01 八戸駅に着きました。約3時間、意外とあっという間でした。仮眠する暇がありませんでした…
八戸駅

八戸駅で新幹線から八戸線に乗り換えます。人の多さにびっくり!東京駅並みの密度です。
1925年1月6日、2:27am賢治さんは八戸駅に着きました。当時の八戸駅は「尻内駅」という名前でした。ここで八戸線に乗り換え、始発で種市駅に向かいます。

うっかり忘れておりました…ここからはICカード非対応です。券売機の前も大行列。乗り換えは20分の余裕があるのに、何かを買いに行くほどの時間の余裕はありません。

いきなり「もしも」の現金発動。首都圏の皆さん、東北旅は現金を忘れずにお持ちください!

無事にきっぷを入手しました。現金でしか買えません。ちょっと手間はかかりますが、紙券は旅の思い出なので嬉しいです。

左:八戸線。今から乗ります。右:青い森鉄道。2022年に乗り通しをした懐かしの電車です。
・青い森鉄道乗り通しレポート

こちらの車両に乗って、八戸線を乗り通します!


おぉぉ…一人掛けで向かい合わせの席です!面白い♪
鮫駅を出て、くねくねと海岸沿いに走って、ふいにひらけて海が見えて、山に入って落ち葉が降って…めっちゃいい✨ pic.twitter.com/mQRyAmYlsl
— ナギノート®︎ (@naginote_tokyo) November 13, 2025

鮫駅を出て、1本のレールに沿ってくねくねと海岸沿いに走って、ふいにひらけて海が見えて、山に入って落ち葉が降って…景色はどんどん変化していきます。

陸奥白浜駅停車中。目の前の紅葉がお見事!賢治さんは1月の旅なので灰色の雪景色で重暗い景色だったと思うのですが…本日は明るい秋の美しい景色です。ナギノ、東北の一番良い季節に来てしまいました。

海を見ながら進みます。

種市駅に着きました。賢治さんの時は八戸線はここまでですが、今は延伸しているのでこのまま久慈駅まで乗ります。
「暁穹(ぎょうきゅう)への嫉妬」

賢治さんは種市〜久慈まで、乗合バスで移動しています。

目の前、海岸沿いに道が一本。賢治さんはどんな道を走っていったのでしょうか…その移動の途中に夜が明けます。その情景が詩「暁穹への嫉妬」。
久慈駅

久慈駅に着きました。三陸鉄道リアス線に乗り換えます。

NHK朝ドラ『あまちゃん』ですっかり有名になった三陸鉄道です。1984(昭和59)年4月1日開業ですので、賢治さんが旅した頃はまだありません。賢治さんは徒歩で南下します。
ドラマ『あまちゃん』の中で開業シーンがありましたが、開業時の関係者が今も現役でお仕事をされています。
『あまちゃん』ロケ地めぐりレポートはこちらをどうぞ。
三陸鉄道一番のビューポイント「安家(あっか)川橋梁」と「大沢橋梁」

列車の中の眺めで最も美しいのが、堀内駅前後の2つの橋梁からの景色です。徐行または一時停止して車窓を堪能させてくれます。最初は「安家川橋梁」で、こちらは下安家(しもあっか)漁港側。

反対の車窓、安家川の上流側。賢治さんが歩いて南下し、1/6の夜に宿泊した旅館はこの辺りです。翌日からは船で移動し、その様子を詩「発動機船 一」「発動機船 第二」「発動機船 三」に描いています。
「発動機船 一」「発動機船 第二」「発動機船 三」

堀内駅を過ぎて「大沢橋梁」です。高さ30mの景色を堪能します。『あまちゃん』では夏ばっぱが見送りに来た場所でした。

おぉぉぉ!反対の車窓、紅葉と赤い橋が美しいです。橋は国道45号線…ということは、あそこからこの列車を見下ろせるということですね。3日目に撮影してみましょう。

団体のお客さんが普代駅で下車し、ガラッと席が空きます。普代駅は、テレビで取り上げられている道の駅併設で大型駐車場完備の駅です。こちらも3日目にしっかりレポートしますね。

島越駅前、列車から宮沢賢治詩碑を確認しました。三陸鉄道の列車は、1~2時間に1本なので、沿線の三陸旅関連の詩碑7基を全て下車しながら見るのは難しそうです。そこで、旅の3日目に車で詩碑を全部回る予定を組んでいます。

宮古(みやこ)駅に近づくと、窓の外は車両がいっぱい!

無事、本日の目的地「宮古駅」に着きました。

宮古駅からは、宮古駅ー盛岡駅を結ぶJR山田線も発着しているのですが、10〜11月は落ち葉のため47日間運休です。

賢治さんが宮古入りしたのは1/7。船で夜遅くに宮古港に入っていますので、私は1日で賢治さんの3日分を移動してしまいました。

岩手に上陸したら、まずは「山のきぶどう」をぐいっと1本。元気チャージです♪

海の町なので、地元のお魚が美味しいです♪アジとホウボウとアイナメのお刺身をいただきながら、岩手ホップのビール…岩手満喫♪

今日は、宮古駅すぐ目の前のホテルに宿泊。ついつい夜更かしして列車を見てしまいます…終電はポケモンラッピングでした。
明日は、引き続き賢治さんの移動範囲である釜石まで列車で南下します!
つづく
まとめ
本日の行程
09:08発 東京駅:JR新幹線はやぶさ
12:01着 八戸駅
12:24発 八戸駅:JR八戸線
14:09着 久慈駅
14:15発 久慈駅:三陸鉄道リアス線
15:09着 宮古駅
今回の旅の行程
11/13 1日目:宮古駅まで移動
11/14 2日目:am宮古で仕事、pm釜石駅まで移動
11/15 3日目:車で三陸鉄道沿い7つの賢治詩碑を探索
11/16 4日目:車で釜石線の詩碑と沿線観光
実は、「乗り鉄」するだけなら東京から日帰り可能です
首都圏にお住まいの「時間はないけど宮沢賢治気分を味わいたい!」皆様、今回の旅程を列車で乗り倒すだけなら日帰り可能です。
モデルルート
06:00発 東京駅:JR新幹線はやぶさ
08:49着 八戸駅
09:29発 八戸駅:JR八戸線
11:10着 久慈駅
12:07発 久慈駅:三陸鉄道リアス線
15:39着 釜石駅
15:56発 釜石駅:JR釜石線
17:52着 新花巻駅
18:07発 新花巻駅:JR新幹線やまびこ
21:12着 東京駅




