はじめまして、リュウです。2024年4月27、28日の2日間にわたってJR東日本 盛岡車両センターSL検修庫で開催されたイベント「C58 239検修技能講習~研け技術 深めよ知識~」に参加しました。なんと参加費は25万円。その様子をレポートしたいと思います。
技能講習1日目
いよいよ待ちに待った技能講習が始まります!今までの見学会とは違うので、楽しみな気持ちと緊張がありました。
技能講習1日目は主に机上教育と現車教育です。机上教育ではSLをメンテナンスするのに必要な資格や法令などを学びました。講習を受けている途中で「テストがありますので」と言われ、 さらに「不合格もあるからね」と!緊張と驚きを隠せませんでした。
現車教育では机上教育で学んだことを実際の車両と照らし合わせながら理解していくものです。この現車教育でさらにSLの知識を深められたのでよかったです。
この日の最後は仕業検査を体験しました。確認する箇所が多くて大変でした。これで1日目が終了です。いよいよ2日目は、添乗検査という実際に運転台に乗ってSLの状態を確かめる検査です。
技能講習2日目
朝は6時30分に集合だったので5時30分に起床しました。ちなみにJR東日本では遅刻をすると、1年は昇任できないらしいです。
技能講習2日目は発前給油と呼ばれる作業から始まりました。なんと、発前給油で給油する箇所は200箇所を超えます!この作業を2人で40分で終えなければならないのです。当たり前にこの大変な作業をされていたのだと思うと、頭の下がる思いです。
いよいよ添乗検査です。今まで行ってきた検査の最終チェックです。添乗検査では見るだけではなく、五感でSLの状態をチェックするそうです。このときは、初めて動いてるSLの運転台に乗るので緊張していました。
15歳の僕が学んだこと
今回の技能講習では今までの見学会とは違い、SL(現車)のことだけでなく、整備などをするのに必要な資格や決まり事について、詳しく知ることができるいい機会になりました。普段、大切にメンテナンスしている機体の大切な部分を、実践で触らせてもらい、ほんとうの新人社員になったように学べました。
このイベントを迷わず申し込んでもらったのは、この9年間どのようにして整備して、故障による運休0回を成し遂げられたのかを知りたかったからです。そのために、自分で検修員の仕事を体験する必要があると思ったからです。運休0回の偉業は、少しでも気になるところがあればすぐ修理をし、次の運行に絶対間に合わせるという思いで成し遂げられていました。
このC58 239には自分も元気づけられていました。毎日の時報の汽笛はどこにいても聞こえましたし、ここぞという自分を頑張らせたい時は、検修庫まで聴きに来ていました。運行終了を知ったときは驚きしかなく、気持ちが追いつきませんでした。そこから69回乗り、常に「また沿岸のために走ってほしい」と願っていました。この体験中も、この汽笛を沿岸・釜石に響かせたいという思いでいっぱいでした。また沿岸を走れることを、心から願っています。
C58 239は、今もいつでも走れる状態です。それは、僕が検修体験で経験したことを、今でも毎日地道に繰り返しているからです。地道な作業をおろそかにしないこと、少しでも気になったことを見過ごさないことの大切さは、わかっていてもなかなかできません。その正直で地道に向き合うことが本当にすごいです。今回、改めてそのことを実感したこの経験を胸に、見えない部分での地道な積み重ねの大切さをおろそかにしない自分になりたいと思います。
今回、大切なC58 239を通して、沢山の大切なことを学ぶ機会をありがとうございました。「ちょっと難しいんだけどね」と言いながら、僕たちの理解するペースに合わせて教えてくださり、もっと深くSLのことを理解し、ますます好きになりました。改めて、ありがとうございました!