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高村光太郎が住んでいた千駄木に日暮里駅から行ってみた

宮沢賢治と東京

今回、マップは上の方だけスルスル~っとなぞってますが、2時間半のお散歩です。下部には根津神社・上野公園といった見所地帯なのですが、今回は行きません。

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高村光太郎 彫刻家・詩人・歌人

花巻温泉に疎開している高村光太郎の写真。教科書で習った『道程』『智恵子抄』の高村光太郎が宮沢家を頼って花巻に疎開していたことを知って驚きました。…では、賢治生前の接点は?

1926年12月18日。賢治さんは高村光太郎を訪問して、同席した手塚武と三人で「聚楽」で食事をしました。
聚楽…須田町食堂(聚楽1号店)のことでしょうか?須田町食堂、オープン当時「簡易洋食」として話題になっていたお店とのことで思い当たっています。(最近、秋葉原UDX AKIBA-ICHI 3Fに須田町食堂が復活しているそうなので、私、気になっております。)
この日は高村光太郎宅には行かず外で会ったのかもしれませんが、近ごろの私の行動パターンを察してか、私のGoogle mapにしきりと「高村光太郎宅跡」の表示が出るので気になったのです。いくつかのきっかけに押されて、行ってきました。

帽子みたいな三角屋根乗ってます。

谷中方面に向かうと…あ!

スタンプ発見!7月22日にリニューアルされた駅のハンコです。消毒用アルコールも常設なので、押印前後はシュッシュです。

新しいハンコは駅名の漢字一文字がフォーカスされているデザインなのですが、日暮里は「暮」ですね。階段と猫…あ!あとは夕暮れか。

にゃっぽり…?初対面ですが、日暮里のオリジナルキャラクターでしょうか。この時点で、どうも「日暮里=猫の街」ということがわかってきました。

出口あぶないらしいので注意。

おぉ!外に出てみると、駅名のフォントがめっちゃ可愛いことに気づきました。ここでも猫意識してますね。

離れて振り返ったら、上にゴシック表記もありました。いいな、この駅。

早々に坂です。

右前方に谷中商店街が見えてきました。

夕焼けだんだん

仕事で取材をしていた時、日暮里・西日暮里周辺で見かけるこの単語が語呂の良さもあって気になっていました。なんだろ?夕焼けだんだん??

これでした。夕焼けを美しく見れる階段で「夕焼けだんだん」という名前のようです。

商店街を一望。人がひっきりなしに通る生活道路です。

谷中商店街に入ったら、邪悪なハンコ屋しにものぐるいさん発見!ここに実店舗があったんですね。私も「シロクマとアザラシ」「アンモナイト」持ってますw

真鍮オブジェ「どこか遠くにある街」シリーズの穀雨さんの実店舗もここにあります。まだ開店前なので、後ほど来たいと思います。

谷中商店街の次はよみせ通り商店街

日本の様式美のような児童公園発見。

ん?横断歩道の押しボタンが、なんだかハイテク?

ぅわ;坂すごっ!…でも、きっとこれはここの「普通」でしょう。のぼります。

空き地があったのですが、土地の高低差が実感できます。

あ、高村光太郎旧居跡です。

高村光太郎宅跡地

 高村光太郎〔明治16年(1883)~昭和31年(1956)〕は彫刻家・詩人・歌人。彫刻家高村光雲(たかむらこううん)の長男として台東区下谷(しもや)に生まれ、10歳の時に、ここからすぐ近く(現・千駄木5-20-6)に移り、そこで育った。
 東京美術学校(現・東京芸大)彫刻科を卒業して欧米に留学、ロダンに傾倒する。詩人としては、在学中「新詩社(しんししゃ)」に加わり、「明星(みょうじょう)」に寄稿し、「パンの会」にも参加した。
 明治45年(1912)に住居を父の家からこの地に移し、自分で設計した木造・外観は黒塗りの風変わりなアトリエが完成した。以後、ここで数多くの彫刻・詩などの作品が生まれた。大正3年(1914)長沼智恵子(ちえこ)と結婚、昭和13年(1938)死別後は一人で暮らした。
 昭和20年(1945)4月の戦災で住居が消失し、岩手県花巻(はなまき)に疎開(そかい)した。昭和27年中野区桃園(ももぞの)町の中西利雄のアトリエに仮寓(かぐう)。昭和31年(1956)4月、73歳で没。墓地は豊島区駒込の染井霊園(そめいれいえん)。
―郷土愛をはぐくむ文化財―文京区教育委員会 平成7年3月

一般の住宅で、看板以外何もありません。以上、終了。住んでいた場所の高低差の雰囲気だけがわかりました。

先ほどの看板に書かれていた10歳から一時住んでいた家の番地が近いので行ってみましょう。

あ、道路の杭が斜めで生活感が出ていて面白いwそして、猫が見てますw

ここ…?何屋さんかな?と思って調べたら「宮本百合子ゆかりの地」とあり、高村光太郎との関連は探せませんでした。ふーむ。以上でしょうか。戻ります。

さっきは気づかなかったのですが、この旧安田楠雄邸庭園は趣深い塀と門ですね。

大正8年(1919)に建てられて関東大震災と第二次世界大戦の被災を免れた建造物とのこと。すごいなぁ。数軒先の高村家は消失してるのに、この違いってなんだったんでしょうねぇ。

須藤公園。なにやら面白そうなので、ここ横切りましょう。

池があって、池の中に社があるってあたり、既に面白そうなんですけど。

遊具と階段。

あ。外国人の方がサムライ?のコスプレしてロケしてました。

赤い社、池、睡蓮…なるほど。面白い絵面かも。

谷中商店街に戻る直前、バスに遭遇。小さくて可愛らしく、町の景観に馴染んでますね。

谷中商店街に戻ると、あちこちで猫の彫刻がお出迎え。屋根の上のが可愛いなぁ。

開いてました♪

穀雨『どこか遠くにある街』

ちょっと長くなりますが、私が穀雨さんのアトリエを探しに来た経緯です。

「どこか遠くにある街」シリーズは真鍮製のオブジェなのですが、2平方センチメートル大の小さなオブジェに込められた世界観が楽しいのです。
たとえば月の形の窓がついた家。私が一目惚れした家なのですが、2階部分には外階段がついていたり、反対の壁の窓は月が欠けたり満ちたりしているのです。月が好きなので、一目で気に入ってしまったのです。なんて可愛らしい!しかも、コンパクトに完結してるので、小さくしか地面を買えない川崎でも、もしかしたらこの家建てられないかしら?などと思ったり。…と、小さなオブジェを前に色々妄想して楽しんだ結果、購入しました。すると、同封のカードにこんな文章が金文字で印刷されていたのです。

月を見る家

月型窓のその家は
夜空が好きな子が暮らす家
小さな階段をあがり毎夜毎夜屋根の上から
父さんに借りた双眼鏡で
月や星を眺めています

この家には別の物語がありました。なるほど、このシリーズは小さな一つ一つに物語があるのか!と驚き、そして、もっと好きになったのです。

購入した後すぐに、もう1軒目に留まりました。不思議なことに、『月を見る家』に夢中の間気づかなかったのですが。

この家、階段裏にたわわに実がついた木があるんです…しかもなんか形が…?あ、レモン?
その逡巡で、昔カプリに行って泊まったホテルを思い出したのです。
到着したその日に、青の洞窟行きの船は終わっていて、一か八かでカプリで宿を訪ね歩いてもう一泊することにしたのです。(ローマのホテル、一日分スルー…もったいない。)その時に泊まったホテルは、数段の階段を上り下りする複雑な庭園があったのです。そこにあったレモンがグレープフルーツか?と思うくらいに大きくて、最初はなんの実なのかわかりませんでしたねぇ……

をっと。店先で思い出にトリップしてしまいました。思い出の引き出し装置として面白かったので、その家も購入。その作品は『レモンの実る家』という名前で、そちらもまた作品の物語があるのですが、それはまた別のお話。

そういう経緯で作品を2点所持していたのですが…2軒のお家だけが並んでいる景色に、電車を走らせたくなったのです。ここ2年で自分の中で電車の重要度が上がっているせいだと思います。

以前に2軒購入したお店では、トラムは他のものとセットになっていたため、単品で欲しいな…と、検索したところ作家さんのアトリエ兼ショップが谷中商店街にあることが判明!
私の中で「高村光太郎➡穀雨➡夕焼けだんだん」が一直線に繋がったのです!運命です。行こう。今行こう。賢治さん来てなくてもいいや、高村光太郎宅も行こう(笑)と。

作者の長南さん。最初は、郵便局がなぜホルン?とか、イメージのモデルとかあるんですか?なんて質問をしていたのに、途中から「どこか遠くにある街」を何を持っていて、どうしてそれを気に入ったのか?とか聞かれて…私が話してました;あれ!?
想像を膨らませる小さな装置として作られているオブジェですが、「見た人が心に描いた物語を聞くのが好きなんですw」って。そっか…使い方合ってたw見る人の心の街でいいんです。

長南さんお気に入りの絵本。この絵本のお家に入ってみる想像をして遊んだのだそう。面白そう!私も読んでみよっと!

お店のオブジェを動かしながら、ナギノタウン拡張計画の相談に乗っていただきましたw大人のごっこ遊びタイム。アトリエで作品を買いに行ったのですが、なんだか小学生の時に公園で知らない子と遊んで夕方別れた…そんな気持ちになりました(笑)

ナギノの街にトラムが走りました。レトラム風なディテールでお気に入りです。そういえばナポリで乗り場がわからなくて、トラムが止まるまで後ろを走って追いかけて乗ったなぁ…という思い出。

だんだんと私の『どこか遠くにある街』は私の思い出と生活感を反映させ始めました(笑)どこか外国風でありながら、私の石畳は鎌倉の段葛です。だから、先っぽに鶴岡八幡宮の太鼓橋wトラムの位置がなんとなく江ノ電テイストになっていますねぇ。

帰り道

商店街の賑わいの向こうに「夕焼けだんだん」。…あ、この商店街の賑やかさの向こうに階段という景色、マカオの聖ポール天主堂跡(大三巴)前もこんな感じだったなぁ…。階段の向こうに何かありそうなワクワク感。階段という装置の効果です。ワクワクはしましたが、この階段の向こうは日暮里駅ですw

あー、常磐線だ~本数少ないから珍しい。乗っちゃえぃ。…品川で降ろされます;

川崎に戻ってきてから、空腹に気づきました。私何も食べてませんでしたね;楽しすぎて食べるの忘れてました。いつものお店で一杯。お気に入りのクラフトコーラ「川崎コーラ」、今日も美味しいです〆

外部リンク