2022年3月29日、上野の国立科学博物館で「宝石 地球がうみだすキセキ」展を見てきました。
JR上野駅にやってきました。目的は上野の国立科学博物館で開催の特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」展です。
今はまん防明けなのですが、感染対策で入場は予約制と言われてしまいました。げげっ…予約していないので焦りましたが、花冷えの早朝で人が少なめだったのか、当日入場で入れました。空いていれば当日でも入れるそうです。いらっしゃる方はネット予約忘れずに…。
さっそく中に入りましょう!実は上野公園はただ今話題がいっぱいです。空也上人像が来ていたり、桜が満開&双子ジャイアントパンダの赤ちゃん「シャオシャオ」「レイレイ」公開(2022年3月25日から再開)で注目の的になっています。人の流れはそちらでしょうか?
「宝石」展は、後半の歴史的宝飾品のブースは撮影不可のものが多いですが前半は撮影OKの展示多くて楽しいです♪
パラサイト隕石、顔より大きい標本です!すごいすごい。ここまで大きいのはなかなかお目にかかれません。2cmくらいの標本を1万円で買っているので「いちまーん、にまーん、さんまーん…」と数えてみると途方もない金額です。壊しても盗まれても大変な損害なので、保険…高そうです。じゃなくて。
後ろからライトで照らす演出でペリドット部分が透過して、とても素敵です♪
宝石色相環。宝石が色相と濃淡順に並べられて、色の分布を表しています。多様性と類似性が一目でわかる標本です。これ、図鑑で写真で並べてるのは見たことがありますが、実物で集めるとなると大変ですよね。やっちゃったか。すごいなー。
サファイアの色のバリエーションもありました!これ大好き♪サファイアは語源はラテン語で「青」。コランダムの青いものを指す宝石名だったはずなのですが、「ピンクサファイア」とか「イエローサファイア」とか「バイオレットサファイア」とか、青以外にも宝石名で「サファイア」の名前が使われだしたのです。コランダムは自然科学の話、サファイアやルビーは人類文化史の話になるので、このへんが宝石の展示を科学博物館でやる難しさなのでしょうか。
私は、サファイアとルビーを見た時に色についての感性の違いにハッとさせられ、「自分は日本人だな」としみじみ思わされた経験があります。ちょっとその話をさせてください。
サファイアとルビー
「サファイアは青、ルビーは赤、マリア様の衣」という話を聞いた時に「赤」ってどんな色を思い浮かべますか?
なんとはなしに子どものころから「赤・青・黄色」のセットで目にする「赤・青」を頭の中でペトッペトッと並べて思い浮かべた私。
子どもの時の「赤組・白組」の赤白帽子の「赤」。唱歌で「♪白地にあかく 日の丸染めて」…日の丸の赤。
「石と賢治のミュージアム」に勤め始めた頃、“コランダムのハト&雄牛の血の色のものが「ルビー」”であり、その色を求めて石の色が加工されるということを知り「そもそも、その基準の色がわからないと判定できない」ということで、「これがピジョンブラッド(ハトの血の色)とオックスブラッド(雄牛の血の色)だ!」という色を理解するために東京に出掛けました。
宝石や原石標本でもルビーを見ましたが、中でも興味深かったのが、ベルヌーイ法で作った人工のルビーです。「あえて模造するんだから、一番売れる色で作らなきゃ意味ないでしょ」というバイヤーさんの言葉も相まって「なるほど、これがルビーの赤か!」と納得しました。
なんでこんなにルビーの赤にこだわって見ているかといいますと、「ルビーは赤くない」んですよ。ルビーを見て「赤い」と感じないんです。
日本人として生まれ育ってきた人が持つ概念の「赤」は、広義で「赤」と定義される色の中ではちょっと朱に寄った赤い色で、だから、ルビーは私から見ると赤ではなく濃いピンクです。マリア様も青と濃いピンクの服を着ている…と、見えます。
私が「赤」と思うその色はサファイアに属していて、それはそれとして「パパラチャ」という宝石名がついていました。(パパラチャは濃いものから薄いものまでパパラチャなので、薄いと赤から遠ざかりますが…。)シンハラ語(スリランカの公用語)で「蓮の花」という意味で、アジアで人気のあるカラーだそうです。おや、これはこれでなんだか納得しました。ルビーを決めた人と、私たちの「赤」の感覚は違う、色の概念は文化なのです。
ちなみに、ルビーよりちょっと薄い色になると「ピンクサファイア」です。語源を考えると「ピンク青」という謎名称です。
謎と違和感と多文化を知覚できるコランダム、いいですねぇ~。大好きです。
上野公園、桜満開です。見るからにあっちの人出は別格です。東京らしい人の多い景色が戻ってきました。
人混みを避けてふらりと歩いています。この先には国際子ども図書館(旧帝国図書館)がありますね。国立科学博物館からの帝国図書館というルートは、とても宮沢賢治さんコースですねぇ。「宝石」展を見ながら宮沢賢治作品を思い出していたので、もうそこから賢治さんだったわけですが。ではいっそ、このままもう少し関連したところを回りましょうか。
花から遠ざかるように国立博物館方面へ抜け、宮沢賢治さんも通い詰めていた帝国図書館(現国際子ども図書館)に向かいます。
明治に建てられた、東洋一を目指した図書館建築「帝国図書館」。第二次世界大戦以前、唯一の国立図書館でした。賢治さん、なにかというと調べ物をしにここに来ていました。
神殿のような柱装飾。
こんな素敵な建物内で、今はじっくりと世界の絵本を読むことができます。
建築当時は引き戸が主流なので、扉にプレートで「おす登あく(押すと開く)」って書いてありますw
12時ちょうどの鐘がどこからともなく聞こえてきました。
やっぱり桜を見たいので、上野公園を通って駅に向かいましょうか。
上野公園、満開の桜並木は圧巻です。
混み具合が半端ないので、入り口付近の桜を撮って終了。
今日は曇っていて冷えます。
ここまで宮沢賢治さんルートで来たなら、ランチはここよねぇ?…ということで、秋葉原UDXの須田町食堂へ。
秋葉原UDX。外から目的の須田食堂が見えます!
大正13年(1924年)創業、かつて万世橋駅前にあった観光名所にもなっていたという噂の食堂がここに再現されています♪
私は2つのソースが選べるハンバーグがお気に入りです♪…賢治さんは肉食べませんとか、そういうことは置いておきます。いただきます♪
楽しい時間を過ごして、ガチャして帰ります…電池!?カプセルプラレールが電池で走るの⁉単5電池搭載で自走するカプセルプラレールを発見しました。もちろん購入。帰って試してみましょー♪
リンク
お高めな入場価格ですが、展示されてる品を見ると「破損盗難保険代かしら?うん、納得!」というラインナップです。宝石図鑑を全部実物で見るような体験ができます。
東京開催は2022年6月19日にて終了。現在は名古屋市科学館にて開催中(2022年9月19日まで)。