一昨年の秋。最初のナギノート探索が「王子~巣鴨」でした。
1916年(大正5年)3月20日が賢治さん東京発上陸。
1917年(大正6年)発行の地図を見てみましょう。
地図上部、飛鳥山公園の文字のすぐ上が王子駅です。
指の右上には、目的地の東京高等蚕糸学校(蚕業講習所)と農商試験場があり、上中里駅がありません。開業前です。
この地図を見て最初に思ったのは、数々の施設の中にあって目を引く「渋沢邸」の文字です。飛鳥山公園の文字のすぐ右にあります。
この時、渋沢栄一は存命・在住ですから、一個人の邸宅が地図にあったわけです。
以前にここを通った時は、故人として渋沢栄一を思いながら歩いていましたが、賢治さんの時は生きて住んでいる有名人だったんですねぇ。
今では華々しい名所の古河邸が、まだありません。
同じ地図の巣鴨方面。
左の指:庚申塚こと猿田彦大神巣鴨庚申堂
右の指:とげぬき地蔵こと高岩寺(切れていますが、このあたりです。)
まさかですが…左の指の先に百軒長屋と書いてあります。
驚きました。書簡133のやり取りに出てきた、長屋とは、漠然とボロい一軒の家のことだと思っていたのですが、「長屋」という場所があったということでしょうか。
飛鳥山公園、渋沢邸と同じ大きさの文字で書かれた百軒長屋。
何かそういう名所であったりするのかもしれません。
これは調べてみなければな…と、思います。
(おわり)
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改訂版 東京よりみちノート ([バラエティ])
今回のノートは、ひとり東京さんぽ withよりみちノート (よりみちムック)に付録としてついていた、ちょっとだけ範囲の違うマップの東京よりみちノートです。