取材で久しぶりに東京に出た私。満員の帰宅電車を回避するために、2時間ほど夜の街を楽しむことにしました。
美しいアンティークショップのディスプレイ。コロナだし、雨だしで、閉まってるところも多いし人もまばら。けれども、街は美しい。
先日、荒川でご一緒した宮沢俊司さんから「まぼろしのスカラベ展」というグループ展の案内をいただき、そこに書き添えてあった一文が「昭和7、8年に作られた奥野ビル。面白い建築物です。」と。
松屋銀座のほど近く、趣のあるビルが登場しました。
わぁ、賢治さんの作品に出てくる事務所のような雰囲気です。
奥野ビルは、1932年(昭和7年)に本館が竣工し、2年後の1934年に隣接する新館が完成。今も外観や内装は当時のまま残されています。
築88年、銀座屈指の高級アパート。関東大震災でここにあった工場が消失していることから、大震災に耐えられるビルを建てよう!と建築されました。うん。東日本大震災も耐えて、もうすぐ90年です。
目を引くデザインのエレベーター。素敵です。会場は6階なので、乗りましょう。……待っても待っても開きません。ナゼ?
ナルホド。手動は乗る手順が大変だ;数分手こずった後、ようやく乗れました。
一人では撮影しながら乗ったりできず;あわあわ
お部屋沢山です。アンティークショップやギャラリーが入っています。613号室ギャラリーKanonで「スカラベ展」を拝見。
(。´・ω・)ん?なんか、階段が違う上にいっぱいある気がする。
あれ?あれ??
変なの!!窓みたいなのがあって、窓の外も階段なの。
なんだなんだ??と、階段ぐるぐる迷子になっていたら、教えていただきました。
そもそもこの建物、建てられた時期が違う2つのビルなのですが、今は中で2つが繋がってるのだそうです。なんてこった!
ここ、つなぎ目。なるほどね~。だから、窓の越しに階段が並んでいるのです。
当時のタイルかな?そんなことを思いながらぐるぐる歩いていたら、最初のエレベーターの前にたどり着いたので、上に置いてきたエレベーターを呼んでみました。
現在階を教えてくれる矢印がぐいーん…と動くのが愛らしい。すっかり88年前ノスタルジーに入り込んじゃったので、アイスクリーム食べたい気分になりました。
雨の夜の銀座の街にでます。交差点に人はまばらにいるけれど、やけに綺麗な夕焼けがチラ見えしてるのは特に誰も気にせず。1丁目から8丁目までてくてく……
すると、見紛うこと無きレッドなビルが登場。
資生堂パーラー銀座本店。ショップとカフェとレストランと、その上には会議室とかホールもあるという、大きなビルです。
今まで何度か、賢治さんも食べた例のアイスクリームを食べようとしたのですが、行列だったり、改装中だったり、たどり着かなかったんですよねぇ……
資生堂パーラーの規模や内装は変わっているんだけれど、100年変わらない味とメニューがある。素晴らしいです。
はじめまして。写真では見たことがあったんだけど、本店で食べようと決めてたからこんなに時間が経っちゃった。いただきます。
パクッ。はむぅー………と、感想を述べようと思っていたら、隣の席のカップルの男性が言いました。「美味いね。値段に比例した美味さなんだね。高いものは美味い。わかりやすい。」と、自分の心の言葉と錯覚するような言葉が飛び込んできました。
材料が良くて、その味を引き出してるんだろうなぁ。100年、いつの時代も「美味しい」と言わせる至高のスタンダードです。
ちょっと想定外だったのは、ホワイトチョコレートが隠し味で入ってる?基本材料のアイスクリームを想定していたので、驚きました。もしかして、レシピは時代に合わせて変化したのでしょうか?
私がぐずぐずしてるうちに、100円値上がってましたw
おしゃれすぎてわかりづらいエレベーターボタン。銀座のエレベーターは曲者揃い。
お土産
資生堂パーラーの焼き菓子の缶が好きなので、ぬかりなくゲットしちゃいました。
本店限定だよ~~♪赤い千鳥格子をバックにした缶可愛いw
食べ終わった後は、測量野帳がいい感じに入りました。