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映画『銀河鉄道の父』ロケ地「羅須地人協会」に行ってみた

宮沢賢治と岩手

2023年6月7日、久しぶりの岩手ゆっくり時間を満喫しようとしたのですが、電波難民で仕事が捗らず夕方に。でも、花巻空港までやってきました。

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羅須地人協会(らすちじんきょうかい)建物

この門をくぐれる日が来たことを、心から喜んでいます。

宮沢賢治さんが自活していた、下根子桜にあった祖父の別宅を移築した建物です。

SL銀河の車内でもおなじみの黒板。元ネタはこの屋敷についているものです。

近くに居た見学者の方に「ドアから中に入れますよ」と声を掛けていただきました。知っていても嬉しかったです!親切さこそ賢治精神だと思っているので、こういう交流が当たり前に発生することが嬉しいです、…賢治作品関係の権利で揉め事とか聞いちゃうとつらいのです。

宮沢賢治さんはここで「羅須地人協会」を設立して私塾を開いていました。すごい名前がついていますが、通ってた人は「農民芸術学校」と呼んでいたので、すごい名前は一般的じゃなかったみたい。ラス、英語ならLath「壁の漆喰の支えになる下地」…若者の下地教育?の意図もあったかしら。諸説あるのでこの件は後述しますね。

建物の一室が教室のように改築されています。元教師である賢治さんが、実践しながら教える場でした。土壌学、植物学、肥料学、地人芸術概論、農民劇、農民音楽団…夢の学校でした。けど、若者を煽る物騒な集会と見なされて警察に責められてしまうんです。考えもよらなかったでしょうね…

そしてまた、ここは愛する妹が結核になった時に、隔離されて、死の8日前まで闘病生活を送った場所でもありました。足繁く通って、二人で過ごした最後の大切な日々があった思い出の場所です…『銀河鉄道の父』の「森七菜トシ」良かったなぁ…

右奥の通路入れません。…トイレですね。

やはり「どこに」建っていたか、そのロケーションが気になります。行きましょうか!

羅須地人協会が建っていた場所

車で走って15分、「雨ニモマケズ詩碑」がある場所が下根子桜、かつて羅須地人協会の建物があった場所です。小道をなぜかダッシュ!

わぁっ!ここイイ!!風が気持ちよく抜ける、ぽっかりと開いた森の空間です♪

あイテッ!なんか飛んできた。ん?くるみ??

すごい…森の小径にわくわくします。

「ここは、賢治さんが愛した原風景が眺められる場所です。」

下丿畑!思ったより遠いし広いです。正面の北上川から風が吹き付けます。

窓の多い建物だったから、ガラスがガタガタ言ったんじゃないかな!窓いっぱいでも、森の中だから、陽射しも柔らかくて気持ち良かったろうなぁ。いいなぁ〜。

そしてここに、始まりの詩碑「雨ニモマケズ詩碑」があります。全国に数多ある賢治詩碑の元祖です。1936年、賢治さんが亡くなった3年後に教え子たちによって建てられました。

ここに賢治詩碑があるのは必然ですが、今では全国規模で「ん?」という場所にも建っています。賢治詩碑は誰かが誰かの心に寄り添って建てていく塔のような存在になっています。

私は、2つ目の詩碑となる一関市東山町の「まづもろともに」詩碑と共に過ごしてきました。この「雨ニモマケズ」詩碑と、まるで双子のような石碑で、1948年に戦後の復興の中で共同体として青年たちの意思を統一させ、それを打ち立てるために同じ産地の石を買い求めた…という話を当時の石と賢治のミュージアム伊藤館長から繰り返し聞かされていました。みんなで大きな喪失に遭遇した時、一緒の心の拠り所として賢治の言葉を求めるのではないだろうか?と。このごろは賢治詩碑と出会う度に感じています。

栄光を記した石碑ではなく、絶望の中で願いを書き続けた青年の言葉を…です。

羅須地人協会の「らす」とは?

「羅須地人協会」という名称が宮沢賢治命名の不思議な組織名で、意味は?と疑問に思われると思います。

地人は大地に生きる・農業生活者といった意味ですが、そのまえの「羅須(ラス)」が賢治さん自身が明確にしなかったことで、研究者の間で諸説乱立しています。
賢治さんに「花巻という言葉に特別意味がないように羅須にも意味はない」と言い残された方もいるようですが、ウソウソ~なんかちょいちょい本心じゃないこと言ってるから!と思います。思いたっぷりに何か考えてると思いますよ(笑)

今後も「羅須(ラス)」については研究で深められていく項目とは思いますが、やけに明快な説を1つご紹介させてください。

賢治さんの好きなエスペラント語でRasoは「人種・民族」、エスペラント語を作ったザメンホフはポーランド人ですが、ポーランド語でLasは「森」なのだそうです。

今日は素敵な森との出会いがありました。女子旅のお供は、飲み物片手にこれくらい明快な説がいいのかな?と思ってます(笑)

リンク

羅須地人協会は、冬季に公開していません。2023年度は11月5日をもって一般開放期間が終了となりました。再開は次年度2024年4月1日の予定です。